額田郡、幸田町の神社にて神前灯籠の傾き直し、耐震対策工事をさせていただきました
こんにちは、石の公園団地近藤石材店の近藤です。
本日は額田郡幸田町にて神前灯籠の傾き直し工事をさせていただきましたのでご紹介致します。
お問い合わせいただき傾き直しと耐震対策、欠けた火袋の修繕もしくは新品取替、左の灯籠の耐震対策として
何パターンかのお見積りを提出後、右側の灯籠の傾き直しと耐震対策のみの工事をすることとなりました。
階段を上ったら鳥居と神前灯籠が迎えてくれます。向かって右側の灯籠が地盤沈下によって下がってしまい
今回将来の地震の心配もあるので工事をしようと言う事に決まったそうです。
鳥居が昭和時代に建てられたという記録があったので神前灯籠も昭和時代に建てられた物だと思います。
灯籠の状態を見ると柱,受け,火袋,笠に欠けていたので過去に倒れて、誰かが建て直しした形跡がありました。
柱と土台がはめ込み式でセメントで接着されていたので無理に剥離せず土台から持ち上げてセメントで調整していきます。
また左隣の灯籠と通りを合わせて歪みが無いように、糸を張り、また高さも合わせて据えていきます。
接着面に汚れがあるとコーキングと目地のセメントの接着が弱くなるので、擦って汚れを落とし接着接着力を上げます。
これは大変重要な作業です。石材同士を接着させる為です。間に無駄なゴミやコケ汚れがあると邪魔をします。
柱と受けはステンレスのピンを差し込んで耐震用のコーキングで接着させます。
これで接着するとチェーンブロックで吊り上げてもすべて一体となって持ち上がってしまうほどの強度です。
目地は古いビシャン仕上げの灯籠なので、コーキングではできない為、セメント目地で仕上げていきます。
水平に綺麗に建て直し出来ました。作業完了です。
お墓や灯籠に関して耐震対策の為にステンレスピンを差し込んで接着剤でガチガチに固める事もありますが
接着せず遊びを作ることで逆にガタガタして干渉し合って倒れず無事であったりします。
すべてにピンを差し込んでガチガチに固めれば問題ないと一概には言えないところがあります。
耐震施工をした石製品でも
背が高く大きな石に関して、大きな地震が来ると倒壊の恐れがある為、大変危険ですので近づかないでください。
経年劣化で石自体の強度も弱くなったり、接着剤の効果が無くなってしまっていたり、地盤沈下で水平でなく歪んでしまっていたり
耐震対策は難しいところがあります。日本に住んでいる以上永遠の課題になりそうです。
簡単に綺麗な動画が撮れる時代になり地震の動画等閲覧することが出来
YouTubeなどで灯籠が倒れている動画や、鳥居が倒壊している動画を見ますが石屋としては大変心苦しく思います。
これがきっかけで灯籠や石製品は無くてもいいやという風潮もあるくらいです。
被害を見ると大変悲しく胸が締め付けられます。まずは人の命が一番大事です。人命第一
そんな風潮があったとしても日本文化である灯籠を後世に残るように働きかけできるよう、
灯籠を製作できるプロとして今後灯籠のプロモーション出来れば思っております。
日本の風情を感じることが出来る灯籠は無くしてはいけません。
作文は苦手で全然まとまっていない文章ですが、
最後まで読んでいただきありがとうございました。以上近藤でした。